枕飾り・葬儀打合せ・納棺|葬儀の流れ 3
病院から自宅などに搬送したご遺体は通夜までの間、「枕飾り」(簡易な祭壇)を整えて安置します。菩提寺などから僧侶に来てもらい、読経をお願いして故人の冥福を祈ってお別れをした後、ご遺体を棺に納めます。また、この間に、葬儀社及び近親者と葬儀について打合せし、必要な準備をします。
以下では、その手順とすべきことをご案内します。通夜以後は式次第に追われ、ご遺族はゆっくりすることができなくなりますから、納棺までのこの間に、ご遺体とゆっくりお別れすることをお勧めします。
ご遺体の安置
ご自宅などに着いたご遺体は、宗派の作法(北枕か、西枕か、など)にしたがって、部屋に安置します。
故人が使っていた敷き布団があればそれを敷き、敷布は新品または洗濯した白色のものを使い、ご遺体を安置します。掛布や枕も同様に白色のものを用います。掛布や枕は、葬儀社で用意する場合もあります。
遺体の胸の位置に、魔除けの刀(または短刀)を置きます。刀・短刀がない場合は、顔剃り用の柄のついたカミソリや鞘のあるナイフなどでもいいでしょう。
顔には白布を被せます。なお、病院によっては、死後硬直までの措置としてご遺体の両手首や顎を包帯で縛っていることがありますから、その場合は外してあげましょう。
遺体に添う位置に「枕飾り(まくらかざり)」の祭壇を整え、焼香します。
「枕飾り」は、文机などの仮祭壇用の台に白布を掛け、死装束、一本箸を刺した一膳飯、水、枕団子などを供え、焼香できるように線香、香炉、灯明を置きます。これらは、葬儀社が整えてくれます。
なお、この時までに菩提寺に連絡し、納棺時に僧侶に来てもらうようにします。
葬儀の打合せ・準備
僧侶が到着する前に、葬儀社の担当者及び近親者と葬儀の打合せをします。なお、このときまでに、葬儀社の担当者に「死亡診断書」を渡し、「死亡届」、「火葬許可証」などの手続を代行してもらうようにします。
打ち合わせすべき主な事柄
1.喪主、世話役(葬儀委員長なども含む)受付、会計、接待、僧侶案内などの係を決め、役割分担の確認をします。
2.弔辞奉読を行う場合は、誰にお願いするかを決めます。
3.日時、葬儀の型式(宗派など)、斎場(式場)・火葬場の確定します。
4.会葬者数を予測し、接待用飲食、会葬御礼・香典返しなどの数量と内容を決定します。
5.必要な費用を見積もり、現金を用意します。葬儀代、お布施、戒名料、お車代、心付けなど、多めに用意し、それぞれに使う包み袋も準備します。(故人の預金などを使う場合は、注意が必要です。)
6.貸衣装、着付け・美容などが必要ならば、その手配をします。
関係者・近隣への連絡
打合せで葬儀の概要が決まったら、親戚、故人や遺族の関係者・勤務先、近隣など、会葬予定者を中心に、手分けして連絡します。この時、弔辞を予定する人には、特にその旨をお願いします。なお、町内会・自治会などの責任者にも連絡します。
納棺
菩提寺などの僧侶が到着したら、ひとまずお茶などを出して挨拶した後、ご遺体の前に案内し、「枕経(まくらぎょう)」を読経してもらいます。「枕経」は、納棺の前に死者の枕元でする仏式葬儀の作法で、遺族もご遺体の前に控え、一緒にお弔いします。
枕経が終わったら、僧侶立ち会いのもと、近親者でご遺体を棺に納めます。このとき、ご遺体には死装束を施し、故人の愛用品なども一緒に納めます。(火葬の際に燃えない金属類は、納棺しないようにします。)
斎場(葬儀式場)等で通夜-告別式を行う場合、納棺された遺体を遺体搬送車(寝台車)に載せ、自宅から斎場へ向かいます。このとき、ご近所の方のお見送りがあれば、出発前に、喪主が故人に代わって、お別れのご挨拶と生前のお付き合いへの謝辞を述べます。
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