還骨法要|一般的な葬儀の流れ.7(火葬後)
還骨法要(かんこつほうよう)
骨上げ後は、葬儀式場・寺(または自宅)に戻り、「後飾り祭壇」に遺骨、位牌、遺影を安置して、僧侶に読経・供養してもらいます。これを「還骨法要(かんこつほうよう)」(宗派によっては「還骨勤行」「安位諷経」)と言います。文字通り、お骨になって帰ってきた故人を追悼する儀礼です。
自宅に「後飾り祭壇」を整える
還骨法要など骨上げ後の手順を葬儀式場などに戻って行う場合でも、自宅には「後飾り祭壇」を整える必要があります。
仏教の葬儀では、逝去日から俗に「忌明け」とされる四十九日までの期間を「中陰」と言い、新たに亡くなった方の遺骨、位牌はこの間、仏壇に収めてはいけないことになっています。このため、高さの違う平机に白布を掛けて、2~3段の祭壇を自宅内の仏壇横または仏壇前に作り、ここに葬儀・火葬を終えた故人の遺骨、位牌、遺影を安置します。これを「後飾り祭壇」または「中陰壇」と言います。
後飾り祭壇(中陰壇)は出棺後に用意するのが望ましく、火葬場に行かずに自宅で留守番する方が整えるか、あらかじめ葬儀社に用意してもらいます。
繰り上げ初七日法要
骨上げ後の「還骨法要」に引き続いて「初七日法要(しょなのかほうよう)」を行います。「初七日法要」は本来は文字通り故人が亡くなった日から7日目に行う、仏教葬儀では大事な法要ですが、喪家・会葬者双方の負担を軽減するため、今日では葬儀・告別式と併せて行うのが一般的になっています。厳密には「繰り上げ初七日法要」あるいは「付け七日法要」などと言います。
仕上げ・精進落とし・お斎
「還骨法要」と「繰り上げ初七日法要」が終わると会食の宴席に移ります。この宴席は「仕上げ」「精進落とし(しょうじんおとし)」あるいは「お斎(おとぎ)」などと呼ばれ、僧侶、世話役はじめ葬儀でお世話になった方々を招き、御礼と労いのために催すものです。
本来は、四十九日(中陰)法要を終えた後に行うものですが、遠方から来ている親戚や自分の時間を割いて最後まで葬送に加わってくれた方々への配慮から、葬儀-火葬直後の法要に併せて行うのが一般的になっています。
なお、僧侶に予定があって出席できない場合は、持ち帰り用の料理を用意し、お布施、お車代とともに渡します。
※式場や自宅の場合の宴席料理には、仕出し弁当などを手配するのが一般的ですが、式場や自宅近辺の料理店などを予約し会場としてもいいでしょう。この場合、遺骨、位牌、遺影を飾る仮祭壇が作れるかどうかを、あらかじめ店に確認すした方がよいでしょう。
遺骨の安置・忌中供養と以後の諸事
以上で、一般的な葬儀の流れはひととおり終わります。仏教式では、この後は「四十九日法要」まで特に儀礼催事はありませんが、社会的・法的手続などで必要な諸事があります。(葬儀が終わったら参照)
なお、ご遺骨は埋葬・納骨まで「後飾り祭壇」に白木位牌、遺影とともに安置し、毎日ご焼香するなどして、ご冥福あるいは仏縁を祈ります。
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